「インスタ映え」する富士山の撮影ポイント
-朝焼け・夕焼け編-
インスタグラム(インスタ)などのSNSで富士山の写真に限らず素敵な場所でスマートフォンで撮影した画像を投稿されている方は多いかと思います。「フォロワー」も増やしたいし、 「いいね!」を沢山欲しいと思うのは皆さん共通の話題です。ここでは初めて富士山を撮影する方を対象に「インスタ映え富士山写真」を撮影するために、富士山写真の中でテーマを 1つに絞り写真とともにご紹介します。撮影に行けば誰でも簡単に撮影できるものではありませんが少しのポイントを掴むだけでも素晴らしい作品が撮影できると思います。

インスタ映えの富士山/朝焼け1 インスタ映えの富士山/朝焼け2

朝焼けを撮影するポイント(8/6追記)


①太陽の出る方向を調べよう

朝焼けと富士山を撮影するためには太陽の出る位置が一番重要なポイントになります。晴らしい朝焼けの時は全天の雲が真っ赤になることが稀にあります。 そんな時は富士山の周囲360度何処から撮影をしてもインスタ映えする写真になります。しかし定番の朝焼けは太陽が昇る方向からの撮影になります。 逆光になるので富士山はシルエットになります。太陽光は昇る太陽方向を中心に広がるため富士山と太陽の出る方向がライン状にあるのが理想です。 そのラインがずれてしまうと富士山を構図に入れる都合上、富士山の一方向だけが焼ける中途半端な構図になるので注意が必要です。
<お勧めサイト>
このアプリは撮影地を中心にラインが引かれるので日の出・日の入りの方向を確認することができます。
日の出・日の入りマップ

②撮影場所を決定しよう

朝焼けを狙うのであれば、太陽の出る方向を考えれば一目瞭然です。
朝焼けであれば東方向の空から太陽が昇ります。また夕方であれば西方向の空に太陽が沈みます。それぞれ朝夕について代表的な撮影場所をまとめました。

春(3月~5月)から夏(6月~8月)
朝方:田貫湖、白糸滝方面、朝霧高原南部、日本平
夕方:足柄峠、御殿場、乙女峠、箱根、など
秋(9月~11月)から冬(12月~2月)
朝方:本栖湖、精進湖、朝霧高原北部 田貫湖
夕方:山中湖、忍野村、富士吉田市、二十曲峠、高座山

③天気図を見て雲の動きを意識しよう

気象庁 天気.jp

④旬の情報を調べよう

SNS等旬の情報が得て撮影計画をしよう。

⑤構図のポイントを絞ろう(無駄なものは省く)

撮影地でロケーションが良いといろいろと画面に入れたくなりますが画面を整理して構図しましょう。

⑥富士山、ご神体こそインスタ映え

富士山そのものが存在感があります。富士山を画面に大きく入れて迫力ある富士山を撮影するのも良いでしょう。

インスタ映えする富士山(朝焼け富士編)


富士山の上空に高層の雲がありそこに日の出の頃の波長の長い赤い光線が雲に当たることで素晴らしい朝焼けが見られることがあります。 どのような条件になれば朝焼けを見ることが出来るのか撮影した富士山写真を天気図を参考にして検証します。

朝焼け富士/田貫湖からの富士山

インスタ映えの富士山写真/逆さ富士/田貫湖/朝焼け ≪撮影データ≫
撮影年月日 2018年6月23日 04時30分
静岡県富士宮市・田貫湖 ニコンD810/Ai-S AF24-70㎜F2.8G ED
使用焦点域24㎜使用
絞り優先F11 シャッター速度1/3秒 ISO64
三脚 ベルボンカルマーニュ630
この日の別カット
超広角の14㎜を使用しました。これくらいワイドのレンズもあると撮影に幅が広がります。
インスタ映えの富士山写真/逆さ富士/田貫湖/朝焼け2 撮影のポイント
カメラの絞りはF8~F11くらいに絞り湖面の手前から富士山までピントが合うようにしましょう。
フィルターなどは必要ありません。ハーフNDを使用する人もいますが朝焼けの場合カラーバランスが崩れるのであまりお勧めしません。 シャッター速度は遅くなるので三脚を使用してケーブルレリーズでシャッターを押すのが良いでしょう。
撮影難易度 ★★★★★
この日の撮影条件
2018年6月23日 朝3時の天気図
インスタ映えの富士山/天気図18062303/ ①当日朝3時の天気図を見ると本州南海上には梅雨前線が停滞していた。天気図には書いてないが九州南の前線付近には低気圧が発生しており 9時になると四国南海上に低気圧が解析されていた。西から低気圧が接近中の条件であった。
2018年6月23日 朝4時のひまわり画像
インスタ映えの富士山/ひまわり画像18062304/ ②気象衛星ひまわりの赤外画像を見ると太陽が出る方向は雲が少なめで東から昇る太陽光の光が届く条件だった。山梨南部や静岡東部では 白い濃いめの雲が多く既に富士山上空には雲で覆われているのがわかる。日の出4時半頃にはタイミング良く濃い雲が通過して高い雲だけが 富士山上空に残ったのだろう。参考までに赤外画像で見るひまわり画像は反射強度を見ているので色の濃い部分ほど雲の高さが高いということです。

2018年6月23日 朝5時のレーダー画像
インスタ映えの富士山/レーダー画像18062303/ ③朝6時のレーダー画像を見ると既に雨雲は東海道沖にあり愛知県より以西の雨雲はどんどん東へ移動して静岡方面を志向しているのがわかる。 雨は午後になると降ってきました。
当日の行動パターン
いつものように朝焼け富士を狙うために順光にするか逆光にするか、考えました。今回は西から低気圧の条件だが静岡県のこの日の天気予報は 雨予報でした。一か八かになっていまうがひまわり画像を見ると雲の本体はまだ東海地方より西にあったため雨雲本体はかからないと 判断しました。逆光ということで朝焼け富士山を狙うが、またここで場所の選定でロケーションを考えた。本当は静岡県の吉原に行きたかったが 遠望富士となるため霞むことを嫌いました。麓で低い雲があれば高い場所への移動も考えたがその影響もほぼなく田貫湖に決定しました。 結果は大当たり以上の結果に大満足でした。富士山撮影をはじめてここまで焼けた富士山を見たことがなかったので一人興奮して シャッターを押していました。この日に感謝、そして同行してくれた妻にも感謝(焼けてる間、妻は車で寝てました)

朝焼け富士/長野県・高ボッチ高原からの朝焼け富士

インスタ映えの富士山写真/高ボッチ高原/朝焼け ≪撮影データ≫
撮影年月日 2017年10月27日 07時02分
長野県塩尻市・高ボッチ高原 ニコンD810/Ai-S AF24-70㎜ f/2.8G ED
使用焦点域44㎜使用
絞り優先F11 シャッター速度1/60秒 ISO64
三脚 GITZO G320
撮影のポイント
レンズの描写性能が一番が出るF5.6~F11くらいに絞りを使用しましょう。
フィルターは使用しません。但し保護フィルターはそのままで良いです。
撮影難易度 ☆☆★★★
この日の撮影条件
2017年10月27日 朝3時の天気図
インスタ映えの富士山/天気図18062703/ ①当日朝3時の天気図を見ると前線は日本のはるか南海上にあり雨を降らせるような雲域はなかった。また東北地方に中心を持つ 移動性高気圧に覆われているため東北から東日本・西日本は広く晴れており、湖などの場所では雲海が出やすい気圧配置であった。
2017年10月27日 朝6時のひまわり画像
インスタ映えの富士山/ひまわり画像18062704/ ②衛星赤外画像を見るとみずらいが甲信地方に白く見える高層の雲があり、これが朝焼けになった雲なのがわかる。
2017年10月27日 朝7時のレーダー画像
インスタ映えの富士山/レーダー画像18062707/ ③レーダー画像では降水になるような雲域は確認できません。
当日の行動パターン
秋になるとこの場所は雲海と富士山を狙うのに好都合の場所です。秋は高気圧などに覆われると空気の透明度が増すため遠望富士を見るには非常に適した時期です。 高気圧に覆われた日は湖などは放射冷却をするので早朝にかけてだんだんと冷やされて霧状の雲が発生して雲海となります。高ボッチは標高があるので そのような条件になることが多いです。この日は深夜未明から雲海が現れはじめ太陽が出る頃まで見事な雲海がでていました。またひまわり画像でわかるように 上空には背の高い雲が漂っていたお陰で日の出後の太陽が当たりきれいに焼けました。

朝焼け富士/静岡県・猪之頭林道からの朝焼け富士

インスタ映えの富士山写真/猪之頭林道/朝焼け ≪撮影データ≫
撮影年月日 2016年10月16日 05時50分
静岡県富士宮市・猪之頭林道
ニコンD810/Ai-S AF24-70㎜ f/2.8G ED
使用焦点域31㎜使用
絞り優先F11 シャッター速度1/30秒 ISO100
三脚 ベルボンカルマーニュ630
撮影のポイント
この場所はパラグライダーで飛揚する高台だが富士山より下の部分を多く取り入れるとアンダーの部分が増えるので 富士山と朝焼け雲を切り取るのが通例です。もちろん表現によっては下部を入れてアンダーを持ち上げるのもありです。 絞りはそれほど絞る必要はなくF11までの絞りで良いでしょう。
フィルターは使用しません。但し保護フィルターはそのままで良いです。
撮影難易度 ☆☆★★★
この日の撮影条件
2016年10月16日 朝6時の天気図
インスタ映えの富士山/天気図18062303/ ①移動性高気圧は太平洋側に出て日本付近は南からの湿った空気が入りやすい状況である。日本付近には 低気圧は表現されていないが九州南海上では気圧が盛り上がっており低気圧が発生する気圧配置だった。
2016年10月16日 朝6時のひまわり画像
インスタ映えの富士山/ひまわり画像16101606/ ②衛星赤外画像を見ると関東地方では雲がかかっているが静岡方面は雲域がないように見える。
2016年10月16日 朝6時のレーダー画像
インスタ映えの富士山/レーダー画像16101606/ ②レーダー画像では撮影地付近では雨を降らせるような雲域はなく千葉県房総沖や和歌山県西部に雨雲がある。
当日の行動パターン
当日はピーカンになるような気圧配置ではないため雲が発生することは想定できた。太陽が出る方向は雲域ないため 高層雲さえ出れば朝焼けが期待できる気圧配置であった。ただこればかりは撮影に行かないとわからないので 撮影地で運に任せるしかないでしょう。

朝焼け富士/山梨県富士河口湖町・本栖湖からの朝焼け富士

インスタ映えの富士山写真/本栖湖/朝焼け ≪撮影データ≫
撮影年月日 2017年7月5日 04時42分
山梨県富士河口湖町・本栖湖
ニコンD810/Ai-S AF14-24㎜ f/2.8G ED
使用焦点域14㎜使用
絞り優先F11 シャッター速度1/3秒 ISO64
三脚 ベルボンカルマーニュ630
この日の別カット
富士山方向が焼けるどころがこの日は虹もでて凄い日でした。この虹は山中湖側で富士山と捉えられておりこの日は富士山が見えた場所は どこも最高の写真が撮影できたようです。
インスタ映えの富士山/虹/ 撮影のポイント
この場所はハンググライダーで飛揚する高台だが富士山より下の部分を多く取り入れるとアンダーの部分が増えるので 富士山と朝焼け雲を切り取るのが通例です。もちろん表現によっては下部を入れてアンダーを持ち上げるのもありです。 絞りはそれほど絞る必要はなくF11までの絞りで良いでしょう。
フィルターは使用しません。但し保護フィルターはそのままで良いです。
撮影難易度 ☆☆★★★
この日の撮影条件
2017年7月5日 朝3時の天気図
インスタ映えの富士山/天気図17070503/ ①台風3号が関東南部を通過して東海上に解析されていた。このような気象条件は必ず良いシチュエーションになることが 多い。気象災害の影響を考え慎重に行動すると良いだろう。
2017年7月5日 朝5時のひまわり画像
インスタ映えの富士山/ひまわり画像17070505/ ②衛星赤外画像を見ると台風の大きな雲域は関東東海上へ抜けていた。関東甲信地方では東海地方から次の雲域が接近しているのが わかる。朝焼けになるとしたらあとはタイミングだった。
2017年7月5日 朝6時のレーダー画像
インスタ映えの富士山/レーダー画像16101606/ ②台風一過するもまだ東海地方から山梨県南部にかけて雨雲域があり条件は決して良くはなかった。ただ雨雲域がべったりとするような 状況ではなかった。
当日の行動パターン
この日は真っ赤になる朝焼けを想定して静岡県の田貫湖へ向かった。日の出1時間前から待機するも雨が降ってきて撮影は不可能になった。 ライブカメラをみると本栖湖より東側は富士山が良く見えていたので急いで移動して本栖湖へ向かった。現地に到着すると既に雲が焼けるのが間違いないような 異様な雰囲気でした。急いでカメラをセットして慌ただしくシャッターを切りました。

★お薦めの三脚
私が現在使用している三脚はベルボンカルマーニュー630です。軽くて丈夫なので安心して使用できます。 発売当時は雲台を入れて10万オーバーでしたが今は値段も安くなりお勧めです。特徴は三脚はカーボン素材、雲台はマグネシウム素材なので非常に軽く堅牢です。 エレベータも付属しているので高さの調整は簡単です。お勧めの三脚をご紹介します。

★三脚と同時にカメラのブレ防止用にリモートレリーズを使用しましょう
※ケーブルレリーズではなく無線レリーズもあります。
富士彩景ブログ 無線レリーズで撮影を便利にしよう

◆専用カメラ雲台
カメラ雲台は三脚に付属の雲台で問題ないのですがさらに画角の微調整をするならこのマンフロットギア410がお勧めです。私も現在愛用しています。 特徴はカメラをワンタッチで装着できること、そして縦横の微調整が優れていて構図の設定には最高のカメラ雲台です。

◆カメラ専用結露防止用ヒーター
夏は早朝は特に水蒸気が多くカメラのレンズが曇る可能性が大きいです。良く撮影地などでレンズが曇るとブロワーをかけたりレンズを拭いたりする方を見かけますが 一度レンズは曇ってしまうとすぐに結露します。事前にレンズの周りにヒーターを使用して結露防止するのが良いでしょう。

◆モバイルバッテリー
レンズヒーター用のUSBバッテリーも必要ですので用意しましょう。早朝の準備から暗い場所での撮影になるので手元には小さなライトを用意すると良いでしょう。

まとめ

朝焼け富士を撮影するためには以下の条件の日を狙うのが良いでしょう。
  • 撮影条件: 朝焼けを撮影するため日の出1時間以上前から撮影地で待機して望みましょう。
  • 天気図 : 西から低気圧や台風などが接近している時台風が通過後などは目が離せません。また梅雨前線などが 日本の南海上にある場合などは焼ける可能性が高いです。
  • 撮影場所: 朝は富士山の西方向 夕方は富士山の東方向を意識しましょう。

  • 上記の条件は参考程度でお願いします。もし朝焼けや夕焼けを撮影できなくても当ウェブサイトは関与しませんでのご了承願います。 また管理人の独断と偏見もあるので皆様にヒントとしてお伝えできれば幸いです。次回のブログを乞うご期待!


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