Lightroomで新たなるプロファイルを発見!
前回のブログで「lightroomでフィルムシミュレーション」の記事を特集して以降、NIKONで撮影のRAWファイルはベルビアプロファイルで現像すると同時に 標準プロファイル「カメラビビット」を使用しています。ベルビアプロファイルで現像する魅力はフィルム全盛の頃定番だったフジクロームベルビアのカラーをシミュレーションできることが最大の魅力です。

今回のシミュレーションの目玉ですが以前の記事でFujifilm X-T1用ベルビアプロファイルの特集をしましたが、新たにFujifilm TX-3用ベルビアプロファイルと中判カメラGFX50R(S)用のプロファイルも用意できました。 記事としては内容が濃いと思いますので楽しみながら読んでください。
プロビア プロビア
ところで現在FUJIFILMのカメラは新型機種の登場でデジタルカメラ界を牽引しそうな勢いのカメラが多数発売されています。APSセンサーの機種ではX-T3(X-T3) そして上位機種の中判フォーマットカメラGFX50SとGFX50Rが気になるカメラです。
x-t3 gfx50
気になるfujifilmGFX50S(R)の詳細スペックですがは以下の通り
New ファームウエア Ver.3.30
中判フォーマット43.8×32.9mmの5140万画素CMOSセンサー
X-Processor Pro
着脱式369万ドット有機EL電子ビューファインダー
236万ドット静電式タッチパネル液晶背面モニター
マグネシウム合金を使用した小型軽量、高剛性ボディ
防塵・防滴・耐低温構造
フジノン GFレンズ

さらには1億画素センサーを使用したGFX100は2020年1月21日現在121万程度の値段設定になっています。詳細スペックは ここでは省略しますが使いこなせないくらい機能があり魅力満載です。
gfx100
中判フォーマットはフルサイズフォーマットより面積が広く画質が良いのは容易に想像がつきます。ただ私にとってはカメラスペックよりもフィルムシミュレーションによる色の再現性と階調が非常に気になります。

特集の前にこの記事で使用する用語及びソフト、カメラについて解説します。
◎Lightroomについて
 ソフトはVer6がありますが今回の疑似シミュレーションは、出来ないようです。毎月使用料金が発生しますがLightroom CCとPhotoshop CCがセットで980円のソフトを使用しています。Lightroom CCにはClassicとCloudがありますが撮影データをCloudに置きたくないのでローカルタイプのLightroom Classicを使用して説明しています。

◎ベルビアプロファイル若しくはベルビアカラーとは?
 Fujifilmから認証を得ているAdobeが自社ソフトLightroomソフトで使用できるように提供しているプロファイルです。ベルビアカラーにはFujifilm TX-3用とGX50R(S)用を用意して解説しています。Fujifilmのオリジナルプロファイルではありません。Fujifilm提供のオリジナルプロファイルを使用する場合当たり前の話になりますがFujifilm提供の現像ソフト「FUJIFILM X RAW STUDIO 」が必要になります。

◎使用カメラは?
 カメラはニコンD810を使用しています。疑似シミュレーションすることができるカメラはRAWデータで保存できるカメラであれば何でもOKです。レンズは現像には関係ないのでアダプター使用の社外レンズでも問題ありません。

◎疑似ベルビア現像若しくはベルビア調プロファイルとは?
 LightroomでニコンのRAWデータを現像する際、ベルビアプロファイルのフォーマットの一部をニコンのRAWデータでも認識できるようにしたプロファイルを指します。所謂、誤魔化しなので疑似とかベルビア調にしています。ベルビアプロファイルはそもそもFujifilm機で現像処理できるように最適化されたプロファイルでありニコンのRAWデータは色の破綻やモアレ等多く出てしまう欠点があります。ベルビアファン用に現像する手段のプロファイルであることを念頭においてください。

◎RAWデータとは?
 生データとも言います。デジタル一眼レフやミラーレス一眼、コンパクトデジタルカメラに搭載されている記録形式です。多くのカメラで画質設定に「JPEG」と並んで「RAW」モードでも記録できるようになっています。高品位な写真編集を行うことができるのがRAWデータの特徴で簡単に言えば撮影時の状態でやり直せるような機能です。明るければ暗く、暗ければ明るくできるのが利点でホワイトバランスも通常は1度設定してしまうと変更できませんがRAWだと後でホワイトバランスの変更ができます。
詳しくは下記のサイトをご覧になると良いでしょう。
シルキーピクスRAWデータについて

ベルビアプロファイルを使用した疑似ベルビア現像を特集するにあたり現像比較対象として撮影時にニコン機と並べて撮影したFujifilm X-T3で撮影した画像も比較対象用に紹介しています。Fujifilm TX-3はベルビアカラーが一番美しい色と階調で現像処理しています。またニコンRAWデータについてはFujifilm TX-3のベルビアカラーを参考に疑似ベルビア現像しています。ベルビアプロファイルがFujifilm機専用のためFujifilm機と同等のプロファイル設定はニコンRAWでは良い感じで現像ができません。ホワイトバランスや白濃度、黒濃度等設定が違いますのでご了承ください。
それでは画像を比較しましょう。なお画像確認用のモニターはEIZOのモニター 「EV2451-RBK」を使用しています。
ez2451
EIZO EV2451-RBK
写真編集で一番評価の高いモニターを使用しています。

それでは各写真を紹介しますのでご覧ください。
下の写真は2020年1月12日に静岡県御殿場市内で撮影した早朝の富士山です。Fujifilm TX-3をLightroomでAdobeベルビア現像をしました。青空の部分はまさにベルビアカラーですね。
xt3_dscf4704_velvia

ここからが今回の記事の目玉です。まずニコンD810で撮影したRAWデータを通常のLightroom搭載のVIVIDで現像しました。
d810_dsc9221_vivid
優等生の出来で素晴らしい色ですね。VIVIDなのでベルビアのように派手な仕上げになりますが富士山の裾の部分を見てください。茶色の山肌部分ですがFujifilm TX-3の方は青みがかっています。また青空についてもD810のカメラビビットの方がシアンが少々強めです。参考までにそれぞれの現像プロファイルを載せます。
xt3_dscf4704_velvia d810_dsc9221_vivid
左はFujifim X-T3のプロファイル、右のプロファイルはニコンD810のカメラビビットプロファイルです。左右共にトーンカーブについては情報のない部分は左へスライドをしてレベル補正をしています。いずれも階調は調整しましたが外観は0のまま未調整としています。

次にFujifilm X-T3用ベルビアプロファイルを使用してニコンD810のRAWを疑似ベルビア現像しました。 d810_dsc9221_velvia_xt3
同様にトーンカーブ調整はしてあります。またFujifilmのプロファイルと同様に各要素を入力したのですが色の破綻や階調異常のため同様の値は使用できませんでした。従ってカメラビビットのプロファイルについてはFujifilm X-T3のAdobeベルビア現像を参考に調整をしています。ビビット時の派手さは多少抑えると同時にほぼFujifilm X-T3と同等の仕上げですがよく見ると富士山の茶色の山肌部分は若干Fujifilm X-T3に比較して濃いめとなっています。この部分を調整して近づけようとしましたが他の色合いが悪くなるためこれが限界に感じました。

次にFujifilm GX50R用ベルビアプロファイルを使用して疑似ベルビア現像をしました。 d810_dsc9221_velvia_gfx
全体的にX-T3ベルビアよりも彩度が高めになっています。D810の疑似ベルビア現像のそれぞれの現像プロファイルを下記に掲載します。プロファイルについてはD810のRAWは階調を同一にしていますが色温度はそれぞれに合った数値にしていますので完全な比較はできませんが疑似ベルビア現像をすることは有効でFujifilm機に負けない色を現像できるようです。

d810velia

最後に4画像を並べてみたので色の違いなど階調は一目瞭然です。
4gamen
私自身今までフィルム時代は風景と言えばベルビアしか使用していませんでした。現在ニコン機で撮影の際Lightroomで現像処理をしていますが用意されているニコン用プロファイルはD810用はカメラビビット、風景、フラットしかなく頑張ってベルビアカラーにすることはほぼ不可能でした。

今回の疑似ベルビア現像をすることで現像に幅が広がり写真ライフ、富士山撮影ライフが楽しくなりました。 この機会に折角なので色々なパターンの疑似現像をして比較しました。それぞれの画像でカメラビビットと疑似プロファイルの 比較してください。
 写真は2020年1月19日に神奈川県箱根町で撮影した雪景色です。3種類ともにトーンカーブでは明暗の波長がない部分については調整をしていますが階調とホワイトバランスについては同一の設定にしてあります。ベルビア調にすると若干イエローが強く好みが分かれそうです。
d810_dsc9245_vivid
ニコンD810で撮影したRAWデータをLightroom搭載のカメラビビットで現像

d810_dsc9245_velvia_xt3
ニコンD810で撮影したRAWデータをFuji X-T3用のベルビアプロファイルを使用して疑似ベルビア現像

d810_dsc9245_velvia_gfx
ニコンD810で撮影したRAWデータをFuji GFX50用のベルビアプロファイルを使用して疑似ベルビア現像 

ところで古いX-T1用の疑似プロファイルもあるので試しに現像しました。どうでしょうか?
d810_dsc9245_velvia_xt1
意外と良くフィルムのベルビアを使用していた方ならわかると思いますが青空の色が当時のベルビアカラーです(多分・・・)

 次は2017年2月13日に静岡県にある薩多峠で撮影した梅と富士山です。満開になった紅梅白梅が見事で駿河湾が眼下にある素晴らしいロケーションで撮影しました。
d810_dsc6982_vivid
ニコンD810 RAW → カメラビビット
d810_dsc6982_velvia_xt3
ニコンD810 RAW → Fuji X-T3用のベルビアプロファイルで疑似ベルビア現像
d810_dsc6982_velvia_gfx
ニコンD810 RAW → Fuji GFX50用のベルビアプロファイルで疑似ベルビア現像
d810_dsc6982_velvia_xt1
ニコンD810 RAW → Fuji X-T1用のベルビアプロファイルで疑似ベルビア現像

 一番私好みのベルビア調になるのは一番下のX-T1プロファイルです。新しいプロファイルが必ずしも好みのカラーになるわけではないことがわかります。カメラメーカーは機種別にプロファイルを用意しているのですがハードでは画像エンジン処理プロセッサが違ったりソフトではカラーチューニングが違うのでこればかりは試してみないとわからないようです。

 ここまでご覧いただきありがとうございます。 現像について興味を持たれた方は多いかと思いますがご自身の愛用されているカメラ用に各プロファイルを変更すれば良いだけです。プロファイルさえあればLightroomで認識させてあとは現像を楽しむだけです。

 以前ブログで「Lightroomでフィルムシミュレーションしよう」の記事をかきました。
 この記事をご覧になった方で一部の方にはウィンドウズのDOSプロンプトを使用してデコード処理及びコンパイル処理が苦手な方もいらっしゃるかと思います。 ご希望の方に愛用カメラに対応したXT-1用、XT-3用、GX50R対応のプロファイルを用意することができます。ご希望の方は下記アドレスにてご注文願います。 人力でやるためなるべく早く処理をしますが多少のお時間を頂けるとありがたいです。プロファイルはベルビア・プロビア・アスティア・クラッシッククロームの4種類1セットで販売します。 各種プロファイルは以下の種類があるのでお問い合わせください。ほぼどのメーカーも対応可能だと思います。 なお組み合わせによっては対応できないカメラ機種若しくはプロファイルがあるかもしれないのでその場合はご容赦願います。
BASE SHOP(こちら)



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