逆さ富士 / インスタ映えする富士山の撮影ポイント
インスタグラム(通称インスタ)などのSNSで富士山の写真に限らず素敵な場所でスマートフォンで撮影をしてすぐに投稿されている方は多いかと思います。あなたもインスタ映えする素敵な写真を 撮影したいと思ったことはありませんか?。「フォロワー」も増えて欲しい「いいね!」も沢山欲しいのは良く話題になっています。ここでは初めて富士山を撮影する方を対象に 「インスタ映え富士山写真」を撮影するための心得をテーマを絞ったシーン別で写真とともに紹介しますので参考になればと思います。
撮影に出向いて簡単に撮影できるものではありませんがしっかりと記事をお読みになればその理由もわかると思います。
静岡県田貫湖からの逆さ紅富士
富士山の西側に位置する田貫湖は断層活動により隆起した古富士泥流の窪地を拡大させて形成された人造湖です。 湖の周辺は自然と触れ合える場所として整備され、自転車で湖を1周することができる道路のほか、宿泊施設やキャンプ場、レストハウスなどがあります。(Wikipediaより抜粋)4月と8月には富士山の山頂から太陽が昇るダイヤモンド富士として有名な場所です。写真は雪を被った富士山に夕日が当たり紅富士になった写真です。逆さ富士も比較的出やすいので 撮影難易度は低めです。
撮影難易度 ☆☆☆★★
山梨県精進湖からの天の川と逆さ富士
富士五湖の一つである精進湖は河口湖町にある湖で富士箱根伊豆国立公園内に位置しています。水深は15mで富士五湖では3番目に深いです。 毎年カヌー大会が開催されており夏から秋にかけて訓練している様子を見ることができます。この場所は冬になると富士山に太陽が近づくのでご来光と富士を撮影 するカメラマンで賑わいます。写真は最近流行りの天の川です。この写真は3月に撮影していますが三脚と数秒間シャッターを空ける機能のあるカメラ、通常B(バルブ)があれば撮影はできます。 要領させ理解できれば誰でも撮影ができる被写体で難易度は低めです。撮影難易度 ☆☆☆★★
千葉県浦安市からの東京ゲートブリッジとダイヤモンド富士
ダイヤモンド富士は年間を通して同じ場所で撮影できるのは二回です。これだけ太陽が大きめに撮影するには富士山より東側の関東などからの撮影になることがほとんどです。 夕方の撮影になるために富士山が霞んで見えることが少ないため難易度が高めです。また富士山と太陽を大きく写すためには望遠レンズが必要になるので機材選定の予算も必要になります。撮影難易度 ☆★★★★
インスタ映えする写真のために次のチェックをしよう
①天気図を解読しよう
中々難しいですが気圧配置などを見て天候を判断しましょう。低気圧や高気圧の位置で天候は左右します。<お勧めサイト>
気象庁 天気.jp ウェザーニューズ 地球気
このサイトは風景カメラマン必須です。
②撮影場所を決定しよう
富士山は東西南北あらゆる場所から撮影できます。まずは場所を決定しましょう。<お勧めサイト>
③太陽の位置を意識しよう
富士山は太陽の位置で綺麗に山肌が見えたりシルエットになります。太陽の位置を意識しましょう。<お勧めサイト>
日の出・日の入りマップ
④旬の情報を調べよう
SNS等旬の情報が得て撮影計画をしよう。⑤構図のポイントを絞ろう(無駄なものは省く)
綺麗なものを目の前にするとあれもこれも撮影したくなるのが人情ですが撮りたいものを決めて画面内を整理しましょう。⑥富士山、ご神体こそインスタ映え
富士山そのものが存在感があります。富士山だけを画面に入れて撮影するのも良いでしょう。インスタ映えする富士山(逆さ富士編)
逆さ富士(リフレクション)
一番簡単に撮影できるのが逆さ富士です。ここでは色々なシーンの逆さ富士を紹介します。山中湖からの夏の逆さ富士
撮影をするための条件①夏は早朝が一番条件が良い
②朝早い時間は霞むことが多く太陽が昇って1時間後くらいがベストタイム
カメラ設定
絞り11~16くらいに絞って湖面の手前から富士山までピントが合うようにしましょう。
偏向フィルターを使用するとコントラストが付き富士山の陰影がしっかりするのでお勧めです。
撮影難易度 ☆☆☆★★
-撮影データ-
撮影地 山梨県南都留郡山中湖村・山中湖
使用カメラ キャノンEOS5D Mark2
使用レンズ EF 24-105mm f4L IS USM
焦点距離 55㎜
シャッター速度 1/180秒 絞り優先F11
ISO 100
使用フィルター 偏向フィルター(PLフィルター)
三脚 ベルボンカルマーニュ630
リモートレリーズ使用
撮影年月日 2012年7月17日 16時13分
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富士山と言えば雪を被った姿を想像するでしょう。しかし夏の富士山はご覧のように雪が全くないです。また夏の富士山は雲が出始めるとあっという間に見えなくなるので早朝の空気の澄んだ時間がお勧めです。 比較的逆さ富士が出るのはこの山中湖の平野地区となります。ポイントはカメラの絞りは絞り込んで近景の逆さ富士から富士山までピントが合うようにしましょう。三脚を使用すると構図をしっかりと決めることができます。 またISO感度は高くても良いのですがISO200以下にすることで画質が良く綺麗にプリントできるのでお勧めです。シャッターは遅くなりがちなのでリモートレリーズで押すようにしましょう。
精進湖の逆さ富士と毛嵐
撮影をするための条件①冬の晴れた早朝
②氷点下に冷え込んだ方が良い。太陽が昇ると湖面が暖められ毛嵐が出やすくなります。
カメラ設定
絞り11~16くらいに絞って太陽の光芒をうまく出しましょう。
少しでもゴーストを少なくするためフィルターは外しましょう。
撮影難易度 ☆☆★★★
-撮影データ-
撮影地 山梨県南都留郡富士河口湖町・精進湖
使用カメラ ニコンD800E
使用レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
焦点距離 44㎜
シャッター速度 1/200秒 絞り優先F11
ISO 64
使用フィルター 無し
三脚 GIZZO G320
リモートレリーズ使用
撮影年月日 2013年12月7日 7時2分
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冬は精進湖はご来光と富士山が撮影できるので大変人気があります。太陽が昇った後冷えた湖面に毛嵐が沸いて良いアクセントとなりました。 絞りは出来るだけ絞りこんで太陽の光芒を小さくしましょう。太陽のゴーストやハレーションを避けるためにレンズフィルターは使用していません。 ニコンのナノクリスタルレンズはゴースト等が発生しにくい設計なので安心して使用ができます。
西湖からの逆さ富士
撮影をするための条件①特に時期は問わない。中間景が緑や茶色なので雪のある富士山の方が画面が単一にならず美しい。
②早朝か夕方が逆さ富士が出やすく富士山もしっかりと見えます。
カメラ設定
絞り8~13くらいに絞り逆さ富士から富士山までピントが合うようにしましょう。
夕方は偏向フィルターを使用するとコントラストが付きやすく綺麗に写すことができます。
撮影難易度 ☆☆★★★
-撮影データ-
撮影地 山梨県南都留郡富士河口湖町・西湖
使用カメラ ニコンD810
使用レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
焦点距離 48㎜
シャッター速度 1/15秒 絞り優先F13
ISO 64
使用フィルター 偏向フィルター(PLフィルター)
三脚 ベルボンカルマーニュ630
リモートレリーズ使用
撮影年月日 2018年3月10日 16時13分
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撮影条件として微風だったことが幸いしました。この場所は逆さ富士が出にくいですが静かに止まってくれました。前日に富士山に雪が降ったことで山肌が白くなっています。 光は夕方の斜光を利用して偏向フィルターを使用して富士山の山肌の陰影を強調しました。構図は色々入れたくなりますが青空、湖面を無駄に多く入れることは避けました。 湖畔にはボートがあるのでオブジェとして取り入れるのも良いでしょう。
田貫湖からの逆さ富士
撮影をするための条件①時期は問わないが雪のあるほうが富士山らしく写せるだろう。
②撮影ポイントは広いがこの場所は撮影するスペースが限られているので譲り合って撮影しましょう。
カメラ設定
絞り11~16くらいに絞ってパンフォーカスにしましょう。
偏向フィルターは使用してもあまり変化はなく保護フィルター付きで良いでしょう。
撮影難易度 ☆☆★★★
-撮影データ-
撮影地 静岡県富士宮市・田貫湖
使用カメラ ニコンD810
使用レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
焦点距離 38㎜
シャッター速度 1/30秒 絞り優先F13
ISO 80
使用フィルター 偏向フィルター(PLフィルター)
三脚 ベルボンカルマーニュ630
リモートレリーズ使用
撮影年月日 2017年2月3日 17時02分
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この撮影場所は富士五湖ではありませんが4月と8月にダイヤモンド富士となる有名な場所です。富士五湖同様に人気のあります。比較的逆さ富士が出やすい場所ですので期待度は大きいです。夕日が富士山に 当たる頃の時間帯を選定しました。理由として一番変化のある時間だからです。太陽が西に傾くと富士山は立体的に浮かび上がってきます。段々と赤くなる富士山にきっと感動するでしょう。中々赤富士にならないので 根気よく通いましょう。
田貫湖からの朝焼けリフレクション
撮影をするための条件①西から低気圧が接近するような日は朝焼けの可能性があるので要注意。台風一過の後も期待大
②田貫湖の朝焼けお勧めは太陽が富士山の後方から昇る4月から9月が良いでしょう。
カメラ設定
絞り8~11くらいに絞りましょう。
フィルターは保護フィルターをそのまま使用しても問題ありません。
撮影難易度 ☆☆★★★
-撮影データ-
撮影地 静岡県富士宮市・田貫湖
使用カメラ ニコンD810
使用レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
焦点距離 14㎜
シャッター速度 0.5秒 絞り優先F14
ISO 64
使用フィルター なし
三脚 ベルボンカルマーニュ630
リモートレリーズ使用
撮影年月日 2017年6月24日 04時30分
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梅雨前線が日本の南海上に停滞している時期に撮影しました。このような日は晴れると朝焼けや夕焼けのチャンスがありますので 晴れさえすれば朝焼けの期待は大きくなります。湖面は多少揺れいていますがこれくらい止まればOKでしょう。撮影場所により 逆さ富士の出やすい場所があるので予めロケハンをしておくと良いでしょう。
桜と逆さ富士
撮影をするための条件①桜が満開で出来れば富士山に前日雪が降ったような日が最高ですがこればかりは運ですね。
②偏向フィルターを使用して陰影をはっきりとさせて画面にコントラストをつけましょう。
③風で桜の揺れが納まるタイミングでシャッターを切る。
カメラ設定
絞り11~16くらいに絞って太陽の光芒をうまく出しましょう。
偏向フィルターはあった方があとの仕上がりが全く違うのでお勧め
撮影難易度 ☆☆★★★
-撮影データ-
撮影地 山梨県富士吉田市内
使用カメラ キャノンEOS5D Mark2
使用レンズ EF 24-105mm f4L IS USM
焦点距離 47㎜
シャッター速度 1/10秒 絞り優先F22
ISO 100
使用フィルター 偏向フィルター(PLフィルター)
三脚 ベルボンカルマーニュ630
リモートレリーズ使用
撮影年月日 2011年4月24日 10時12分
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桜が満開の季節に撮影をしました。山麓はあちらこちらで桜が咲いていましたので忙しい日でした。撮影時間は順光撮影が望ましいので午前の光がベストになります。桜の時期ですので 微風の日を選定することは出来ず運が良ければ逆さ富士を撮影することができると思ったほうがよいでしょう。現在この場所は撮影できるか未確認ですが撮影時には立ち入り禁止かどうか確認して撮影しましょう。
電車と逆さ富士
撮影をするための条件①いつでも撮影できます。 ②季節感を出せると良いでしょう。4月なら桜、5月なら新緑等季節感を出しましょう。
③偏向フィルターを使用しても良いですがシャッター速度が遅くなるのでISO感度を上げましょう。
カメラ設定
絞りは特に決めはなく電車を主体とするなら富士山をぼかすような絞り設定も良いでしょう。
電車を少しでも止めるため高速シャッターを使用しましょう。ISO感度は400から800くらいにすると良いでしょう。
撮影難易度 ☆☆☆★★
-撮影データ-
撮影地 静岡県御殿場市内
使用カメラ ニコンD800E
使用レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
焦点距離 58㎜
シャッター速度 1/640秒 絞り優先F8
ISO 40
使用フィルター 偏向フィルター(PLフィルター)
三脚 ベルボンカルマーニュ630
リモートレリーズ使用
撮影年月日 2014年5月10日 08時29分
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田んぼに稲を植える頃御殿場市内で撮影しました。欲張りな写真ですが電車、稲を植えた田んぼ、逆さ富士の写真が撮影できました。時折風が吹く中での撮影で タイミングを見てシャッターを切っています。電車の速度が速いためブレをなくすためにISO400に設定してシャッター速度を早くしています。 田んぼの手前の道沿いで撮影していますが決して田んぼの中に入らないよう注意が必要です。
★お薦めの三脚
私が現在使用している三脚はベルボンカルマーニュー630です。軽くて丈夫なので安心して使用できます。 発売当時は雲台を入れて10万オーバーでしたが今は値段も安くなりお勧めです。特徴は三脚はカーボン素材、雲台はマグネシウム素材なので非常に軽く堅牢です。 エレベータも付属しているので高さの調整は簡単です。お勧めの三脚をご紹介します。
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★三脚と同時にカメラのブレ防止用にリモートレリーズを使用しましょう
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※ケーブルレリーズではなく無線レリーズもあります。富士彩景ブログ 無線レリーズで撮影を便利にしよう
◆専用カメラ雲台
カメラ雲台は三脚に付属の雲台で問題ないのですがさらに画角の微調整をするならこのマンフロットギア410がお勧めです。私も現在愛用しています。 特徴はカメラをワンタッチで装着できること、そして縦横の微調整が優れていて構図の設定には最高のカメラ雲台です。
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◆カメラ専用結露防止用ヒーター
夏は早朝は特に水蒸気が多くカメラのレンズが曇る可能性が大きいです。良く撮影地などでレンズが曇るとブロワーをかけたりレンズを拭いたりする方を見かけますが 一度レンズは曇ってしまうとすぐに結露します。事前にレンズの周りにヒーターを使用して結露防止するのが良いでしょう。
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◆モバイルバッテリー
レンズヒーター用のUSBバッテリーも必要ですので用意しましょう。早朝の準備から暗い場所での撮影になるので手元には小さなライトを用意すると良いでしょう。
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