「東京の夜景と富士山を狙う」

 下の写真を見て欲しい。東京の夜景と富士山の狙った1枚だがハーフNDフィルターの有無についてわかるだろうか? この記事ではハーフNDフィルターの有効性について解説をした。ハーフNDフィルターの導入を検討してる方は是非参考にしてほしい。 なお現像処理は2枚とも同一にして明暗の違いが出ないように考慮した。GNDフィルター濃度は4、8、16の3種類、それぞれソフト、ハード、リバース、センターの4種類のタイプがあり 合計12種類が発売されている。撮影シーンによりフィルターを使い分けることになる。例えば水平線や地平線など空と地面の明暗差がはっきりしている場合はハードタイプを使用するのがベストだろう。
東京の夜景と富士山
撮影地 東京都江戸川区

 今回の撮影に使用したカメラ機材
 ・使用カメラ ニコンD810
 ・使用レンズ AIAF24-70mmF2.8ED、AIAF70-200mmF2.8EDVRⅡ
 ・三脚 GIZZO 5532LS カーボン三脚
 ・雲台 マンフロット ジュニアギア410
 ・レリーズ アマゾン製中華レリーズ(純正でない安いレリーズ)
 ・室内照明映り込み防止布と窓ガラス止め吸盤
 ・マルミ光機製 ソフトGND8 Filter、ソフトGND16 Filter

GNDフィルター有無画像を比較

マルミ製ソフトGND16有り無しその1

 このシーンでは都会のビルの高さが微妙に違うためグラデーションタイプを選択した。左の画像はフィルター無し、右の画像はソフトGND16を使用している。 撮影時の注意点はハーフNDフィルターの暗部が夕焼け空の明るい部分になるように配置するのがポイントになる。ファインダーを覗きながらの微調整になるがマグネットホルダーM100は 角形フィルターを任意の位置に上下できるのが特徴で磁石で固定されるためフィルターの調整は非常にしやすい。

写真の真ん中にある矢印バーを左右に動かしてほしい。違いがわかるだろうか?ソフトGND16を使用した右の写真は左のフィルター無しと 比較して 夕焼け空が濃くなっているのがわかる。また町並を見ると若干明るくなり黒つぶれが減少している。フィルターを使用した方が 明暗のメリハリが はっきりとして写真にインパクトを与えている。
フィルター無しで撮影した東京の夜景と富士山 ソフトGND16で撮影した東京の夜景と富士山
Before フィルター無
After マルミ製ソフトGND16フィルター

マルミ製ソフトGND16有り無しその2

 時間とともに街の点灯が始まり東京タワーもライトアップしている。1枚目と同様にGNDフィルターを使用した写真は空の濃度が上がり均一になっている。 また夜景は多少明るくなっているのがわかる。理由は簡単でハーフNDフィルターを使用することで露光時間がフィルター無しに比べて 長くなっているからである。カメラの設定はいずれもマイナス1段の補正をした。ハーフNDフィルターのメリットは露光時間を長くなることで 夜景がより美しく写り夕焼けがオーバーにならないようハーフNDにより補正ができている点である。江戸川の夕焼けの反射もオレンジ色が増しているのがわかる。
フィルター無しで撮影した東京の夜景と富士山 ソフトGND16で撮影した東京の夜景と富士山
Before フィルター無
After マルミ製ソフトGND16フィルター

マルミ製ソフトGND8有り無しその3

 夕焼け空と街灯りの輝度差が少なくなってきたのでGND8を使用した。レンズは広角レンズから望遠レンズに変更をして東京タワーと富士山の対比が よくわかるようにフレーミングした。空の濃度は白抜けする部分がなくなりオレンジ色が綺麗に描写されたが露光差が少ないため夜景はフィルター無しと比較して あまり変化はなかった。
フィルター無しで撮影した東京の夜景と富士山 ソフトGND8で撮影した東京の夜景と富士山
Before フィルター無
After マルミ製ソフトGND8フィルター

東京都の夜景と富士山番外編

夕焼けの色合いは薄くなりそろそろ終了前の1枚、この時間になると空と街灯りは若干の輝度差は若干あったがフィルターは必要なしと判断して撮影した。 フィルター無しでも素晴らしい夜景と富士山が撮影できた。どんなシーンでもフィルターを使用する必要はなくシーンに応じてフィルターを使い分ける必要がある。 フィルター無しで撮影した東京の夜景と富士山|広角レンズを使用して撮影

夜景を狙う攻略法1

 この写真は同じビルでスカイツリー方面を撮影した写真だが画面右下の赤丸を見て欲しい。窓にほかのビルの写り込みをしているのが判るだろうか? 窓ガラスは後方の照明や他の窓の反射が映り込みすることが多いため、折角の素晴らしいシチュエーションも映り込みがあっては台無しとなる。 このような窓への反射を避けるためのテクニックを紹介する。

 ご覧のように大きな布を使用して光の反射を防止している。黒い布は私が大判カメラで撮影する時に使用したものでカンプと呼ばれた。 黒い布であれば代用はできるのでカンプでなくても良いだろう。この記事で撮影した富士山の写真は全てカンプを使用した。 注意されることは少ないと思うが、もしビル内に受付のスタッフや警備員がいる場合は、窓にキスゴムをつけることを一言断っておいた方が良いだろう。

クリップ付キスゴムについて

 クリップ付キスゴムはカンプをガラスに固定するための重要なアイテムだが以前100円ショップで4個100円で購入できた。 しかし最近どの100円ショップに行っても売ってないようだ。窓にカンプをつける際に4個で足りないことがあるため 急遽ホームセンターで売られていたパーツでクリップ付キスゴムを作成したので参考にしてほしい。

 2種類のパーツUC-1QとCC-300-Wを用意する。

 UC-1Qのパーツを2つにばらす。ばらし方はおもむろにエイヤ!と引っ張ればよい。

 次にCC-300-Wのパーツをこのようにばらす。これもエイヤ!と引っ張ればよい。

 キスゴムとクリップを接続すれば窓ガラスにクリップできるパーツが出来上がる。

これを数個用意しておくと良いだろう。

夜景を狙う攻略法2

100円ショップで販売されているウレタン製のポーチを使用して大型のレンズフードを作成するのも良い。 このシステムの方が小型化されているため攻略法1よりも簡単だ。私はこの写真のようなフードを作成した。
ウレタンの両端をマジックテープで貼り合わせて丸めればフードになる。
窓ガラスに当てて周囲の光を遮ることが可能だ。レンズの径にもよるが大きめに作成しておけば小さいレンズにも代用できる。 アマゾンサイトで完成品が販売されているが100円程度数個で簡単に作ることができる。
作成の仕方は次のサイトを参考にした。
作成するにあたり参考にしたサイト

まとめ

 マルミ製マグネットホルダーM100システムに使用するGNDフィルターは種類が豊富でユーザーの使用目的に合わせてパーツを選択できる。朝夕の撮影時に ハーフNDフィルターを使用していなかったカメラマンは是非試してほしい。後処理の現像で暗部を持ち上げたり明部を落としたりできるが撮影時に効果を出した方が画質劣化を防ぐとともに 素晴らしい色合いで撮影ができるので是非試してほしい。今後のマルミ光機のシステム展開に期待したいと思う。次回のインプレッションを乞ご期待!。
マルミフィルターウェブサイトはこちら


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